*これまでのお話
第1話 冒険の始まり https://amaterasu-hikari.jp/_ct/17350427
第2話 髪の力 https://amaterasu-hikari.jp/_ct/17351775
第3話 光のバリア https://amaterasu-hikari.jp/_ct/17385510
第4話 黒い犬と「精神の餌」https://amaterasu-hikari.jp/_ct/17401575
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一番強力な『創造の魔法』が宿っているのは、どの指だ?

「ぐわあ〜!」と言いながら、黒い犬は燃えています。

「あ・・・な・・・? 火、火、水、水」

かみながこちゃんはキョロキョロして、周囲に水がないかどうか探しました。海だ!

髪の毛をバケツに変えて、ザバザバかけてあげましたが、まったく炎は消えません。

黒い犬はぶるぶるふるえながら、直立不動で立っています。

「ありがと、ありがと・・・優しくしてくれてありがと。

でも、ごめんね。やっぱり、すんなり通してあげるわけにはいかないんだお!」

 燃え上がりながらも普通にしゃべり続ける犬の様子をみて、かみながこちゃんは、ちょっとホッとしました。

「だお、って、あなた、そんなので平気なの?

どうしちゃったのよ?」

「僕は大丈夫なんだお。もう慣れっこだから。

それより、定められた質問をしなければならない・・・んだお。

答えられたら通してあげる。

両親をまだ許せないとしても、この質問に答えられたら、通る資格があるかもしれない。

答えられないのなら、この先の道のりは、君には危険すぎるからダメだおっ」

「なんですってェ〜! 何よ、あんたなんか・・・
あんたが通さないって言ったって、私は行くんだから」

「さぁ、答えたまえ・・・だお。

一番強力な『創造の魔法』が宿っているのは、どの指だ?

世界に光と闇を創造するのは、どの指だ?

世界の柱を創造するのは、どの指だ??

さあ、さあ、さあ!」

と、犬は5本の指を開いて、右足を差し出してくるのです。

気がつくと犬の足の指が「人の手の形」になっています。

うっすらと5本の指の「りんかく」が輝いています。

「わ! ちょ・・・なんで人の手ぇ。きもいよ。

え? 創造の魔法? 

どの指かって?

一番パワフルな指ぃ? なんのことよ?」

「この質問に答えられるならば!

君は宇宙のパワーを使いこなして、創造の魔法を使いこなせる・・・んだお。

両親をまだ許せないんだとしても、それなら、ここを通って大丈夫。

そうでないならば、それまでってこと。ダメなんだお。

もうあきらめるほうがいいんだお!」

かみながこちゃんは、目をひんむいて怒りました。

髪の毛がブンブンうなって暴れ出しています。

そのとき、犬の人差し指から「びりびりびり」と電気のようなものが走って、近くの木に届いたかと思うと、突然、その木に真っ赤な花が咲きました。

画像: 一番強力な『創造の魔法』が宿っているのは、どの指だ?

「花が咲いた!」

かみながこちゃんはその花を見て、思い直しました。

・・・金持ち喧嘩せず、っていうじゃない。

私はお金持ちってわけじゃないけど、「心はいつも豊かでありなさい」って教わっている子なんだよ。

だから、この犬をとっちめてもしょうがないことくらいはわかる。

なにしろ、正解すりゃ、いいんでしょ。

外れたら、そのときはそのときだよ。

髪の力を使って、犬をちょっとだけ、おどかしゃいいのよ。

うーん、どの指だろう、どの指だろう。

「さあ、どの指だ!」

「ちょっと待って!」

・・・魔法の指。

何かを指差す、人差し指かな。

それとも、一番、長くて、中心にある中指?

それとも、薬指っていうくらいだから、薬指にパワーがあるのかな。

それとも案外、一番かわいらしい小指?

いやいや、親指がないと、手はものを握れないって聞いたことがあるし!

わーん・・・どれだろう。

犬は、軽くせきばらいしています。

「あのね、なんならヒント、あげてもいいんだお」

「え! そんな、あるなら早く教えてよ」

「じゃあね、特別だよ。さっき優しくしてくれたから」

「さっきって? 塩水、ぶっかけたこと? あんなので? あんたって・・・」

犬はちょっと笑ったように口を曲げました。

5本の指は
「惑星からの幸運エネルギーを受け取るアンテナ」

「・・・ヒントを教えてあげる。

指ってね、惑星からの幸運エネルギーを受け取るアンテナなんだお。

で、受け取るだけじゃなくて、自分から発信もしている。

一種の放送塔でもあるんだお。

親指は、金星からの幸運エネルギーを受け取っている。

金星からの幸運エネルギーっていうのはなんなのかっていうとね、愛情、健康、家庭とか、その辺りに幸運をもたらすエネルギーなんだお」

ふいに、かみながこちゃんは、どこかの森の中で、

家族と一緒に、夕暮れ時に光る一番星を眺めたことを思い出しました。

一番星は、金星。宵(よい)の明星ともいうんだよね。

「そうさ。宵の明星は、旅人の足に力を与える。そして、家路に急ぐ人の顔には、ほほえみを与えてくれる星なんだ」

夕闇の中の言葉・・・パパが言っていたんだっけ? 

私、みんなとキャンプ場で焚き火をしていたんだっけ? あれ、はっきり思い出せない。

「・・・どういうこと? それぞれの指に、そういう意味があるの?」

「そうなんだお。今から教えてあげる。

それが全部ヒントだから、よぉく考えてね」

「わかったわよ、じゃあ、人差し指は?」

「人差し指は、木星からのエネルギーを受け取っているんだお。

木星からの幸運エネルギーは、リーダーシップ、向上心、積極心に関わっているんだお!」

「リーダー? だから、いちばーん、っていうときに、人差し指を立てるわけね」

「そういうわけだお。

中指は土星からの幸運エネルギーを受け取っている。

集中力、忍耐、自制心、思慮深さに関わるんだお」

「あ、それ、全部、私の足りないやつだぁ」

「そういう場合は、中指を毎日、よく揉んだり、こすったりするといいんだお」

「えっホント! へえっ! いいこと聞いた!」

「薬指は太陽からの幸運エネルギーを受け取っている。

成功、人気、富、芸術性、才能発揮のエネルギーを受け取っているんだお。パートナー運も関係しているんだお」

「なんか薬指って、すごいんだねぇ」

「なんせ太陽だからね。

小指は水星からの幸運エネルギーを受け取っている。

コミュニケーション能力、商売運、交通安全に関係があるんだお。

わかった?

指は、常に宇宙からエネルギーを受け取っていて、それが24時間、その人の運気に影響を与えているんだお!

だから、指を大切にすること。清潔にすること。

そして、忘れちゃならないのは、受け取るだけじゃなくて、自分からもそのエネルギーが出ているってことなんだお。

つまり、自分の周囲に、24時間、影響を与えているんだお!!

以上だお。さ、わかったぁ!? 答えて」

「えっ!? ヒント、これで終わり?

ってことは、それぞれのエネルギーの中で、どれが大事かを答えろってこと?

ええっとー、愛情と健康、向上心とリーダーシップ、集中力や思慮深さ、成功や人気や才能、コミュニケーションと商売、どれが一番大切かって!?

そんなのわかんないよ」

と言いながら、かみながこちゃんは中指をマッサージしました。

「まだか、まだか?

どの指か? この指か? 

さあ、君が、これだ!と思う指を、むんって、つかむんだお。

さあ、さあ、さあ!」

と、黒い犬は、自分の手(足!?)を差し出して迫ってきます。

「なによぉ・・・。

なんか、数が多かったのは薬指だったから、薬指?

でも、なんかひっかかるわね」

こんなに急がせるのも変だ。

そうだ! きっと、これはひっかけ問題よ。

こういうときは、初めから「話の流れ」ってものを見てみなきゃ、引っかかっちゃう。

・・・そうか! 

「わかったわ。創造の魔法が宿っているのは、この指よ! どう!?」

(第5話終わり。第6話へ続く)

画像: 5本の指は 「惑星からの幸運エネルギーを受け取るアンテナ」

西田普(にしだあまね)
1972年、東京都生まれ。早稲田大学卒業。作家、「アマテラス!」編集長。(株)光出版 代表取締役。月刊『ゆほびか』編集長を務めるとともに、 季刊誌『ゆほびかGOLD幸せなお金持ちになる本』を創刊し、編集長を兼務(〜2019年9月、ともにマキノ出版)。書籍ムックの企画編集も手がけ、累計部数は300万部を突破。健康・開運をテーマしたブログがアメーバ人気ブログランキング「自己啓発ジャンル」で1位を獲得。現在、アメーバオフィシャルブログ・プロフェッショナル部門、月間のアクセス数は315万を記録。物語創作がライフワークで、第1作の「あなたがお空の上で決めてきたこと」(永岡書店)が好評を博している。ブログ「自然に還れば、健康になるでしょう」https://ameblo.jp/toru-nishida/

*この物語はフィクションです。実在の人物、団体、出来事とは一切関係がありません。

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