大好きなことをして別次元まで突き抜ける人は
「プロとして立つときに賢い」
西田普 いまの時代、大好きなことをやっていて、ものすごく大成功する人がいますよね。大好きなことをして、別次元まで突き抜ける人。これは、どこが違うんでしょうか。
本田健 プロとして立つときに賢いんですよ。
何かやっているときに、適当にやっているだけだったら、やっぱりダメだと思います。
同じパンを焼いていても、ありふれたフランスパンだったらダメで、石窯パンなのか、天然酵母なのか、グルテンフリーなのか、何か、特徴が必要になります。
これからは特に、自分がブランドになるような、「これはこの人のすごく持ち味になっている」と言われるような、そういう商品やサービスを作る必要があると思います。それが作り切れないと、魅力に乏しいパン屋さんになってしまいます。
例えばクリーニング屋さんだったら、他の所では落とせないシミも、完璧に落とせる「シミ抜き専門店」なら、ちょっとくらい高くても、お客さんが来なくて困ることはないでしょう。
たとえば三万円するシャツだったら、1000円かけてシミ抜きしてもらってもいいですよね?
「いくら出してもいいからやってほしい」と言われるのは、その人がプロである証拠なんです。
それで、自分が本当にワクワクすることをやって、かつ、人がワクワクする。
これが上級編ですね。
西田普 プロの、さらに上級編ということでしょうか?
プロでも上級者は「いい仕事」ではなく「人をしびれさせる仕事」をする
本田健 1番のプロは、自分がワクワクすることをやって、人をワクワクさせることができます。スティーブ・ジョブズはその天才だったわけです。
「iPhoneというすごいのを発明したんだよ」と、スティーブ・ジョブズが夢中で発明した「おもちゃ」を発表すると、みんなが拍手喝采で迎える。
これは、自分がワクワクする気(エネルギー)を練って、それを放出した瞬間に、みんなが興奮してしまう、という才能なんです。
それは自分のワクワクを人に伝播させているんです。それがプロでも上級編ですよね。
いい仕事をするんじゃなくて、人をしびれさせる仕事をする。
例えば講演者なら、同じ講演を聞かせるのでも、ちょっと参考になったというのと、感動したというのと、しびれたというのでは違うわけです。
西田普 本田健さんと奥様のジュリアさんのセミナーはまさにしびれるような気づきがありました。
本田健 妻のジュリアは講演に関して、天才的なところがあります。
その講演を聞いたら全身がしびれて、感動で言葉も出ない。それはある意味で神の領域に入っていると言える仕事で、どんなジャンルにもそういうレベルの仕事をする人がいます。
一方で、「退屈な授業みたいで眠かったねとしか言えないような講演者もいるわけです(笑)。
僕も講演をするので、50代は情報を伝えますが、60代になって、和平さん(日本一の個人投資家として名を馳せた、幸せな大富豪・竹田和平さんのこと)ぐらいになったら、何か面白い話をしているんだけど、気がついたら金運が上がっている、そういうレベルにぜひ行ってみたいと思っています。
田宮陽子 本田健さんは講演で1つのテーマのことを話していても、その場にいる全員に立体的な気づきを与えてらっしゃいます。数百人いたら数百通りの気づきを与えているのを拝見していて、本当にすごいと思うんですね。
本田健 すごいと思わせている時点で、まだちょっとレベルが低いかなと思うんです。誰も気がつかないんだけど、意識のシフトを起こせるのではないかと思っています。好きなことだから工夫するわけです。
「愛から与える」
田宮陽子 セミナーはやはりお好きなんですか?
本田健 セミナーを受けるのも好きだし、やるのも好きです。
田宮陽子 書く方もやっぱりお好きなんですか。
本田健 そうなんです。
今、個人セッションも少人数だけ抽選でやらせていただいているんですが、当たった人だけが来るので、僕も、受ける人も、両方とも気合が入るわけです。魂と魂がスパークするような時間になります。
たった30分ですが、みんなその後、すごく変わっています。
田宮陽子 本田健さんもそれをやって、自分のほうもよかったと思われるわけですか。
本田健 もちろん。僕はそういうふうに全部やっています。
例えば今日、お二人がここにいらっしゃったことで、僕はパートナーシップの美しさを受け取っているし、そういった意味では、僕も同じだけのものを受け取っています。
僕が何かをあげているだけじゃない。
僕も、本当にハートでやっていこうって、もう一度、今日決められたし、僕も同じだけ受け取っているのです。
西田普・田宮陽子 感動です。
本田健 説明しながら、話しながら、「ああ、そうだよな」って。
ついつい忘れがちになっていたけれど、本当に「愛から与える」ってどういうことか、今日のお二人をみていて改めて感じました。
今日の僕のギフトは「愛から与える」ということです。
お二人から学んだことですね。
西田普・田宮陽子 ありがとうございます。
「相手によくなってほしい」というのもエゴ
本田健 そうやって僕は、セッションをして誰かと話をする時も、必ず僕も与えたものと同じだけのものを受け取っているから、「あげっぱなし」とか「時間をとられた」とか、犠牲感が一切ないような時間の使い方をしています。
だから、エネルギーが枯渇しないんですよ。
西田普 疲れちゃった、もうやりたくないなー、というようなことがないわけですか。
本田健 例えば、目上の人と会えば得をするけど、後輩とか作家になりたての人に会ったときには疲れてしまう、というようなことにはなりません。疲れてしまうということは、ギブアンドテイクの流れがうまくいってないということなんです。
西田普 どんなときでもその循環がちゃんと巡るように意識してらっしゃるんですね。
本田健 一方的に教えて学ぶのではないわけです。与えて受け取るというのは常にありますから、肉体的な疲れはあるけれど、感情的な犠牲はそこで払わないわけです。
与えすぎたり、受け取りすぎたりという微妙なラインがありますから、ここはちょっと練習が必要なんですけどね。
与えて受け取るのが、きちっとハマると、とてもきれいになるんです。
西田普 それは意識設定するだけで、できるものなんでしょうか。
本田健 ここは練習なんですね。「相手によくなってほしい」と思うとできません。「相手によくなってほしい」という思いもエゴなので、それはそれでバランスを崩すんですよ。僕でもそういう思いを感じることがあります。
与えることによって
「自分は与えられるものを持っている」と気づくことができる
西田普 好きなことをやって、相手のお役に立つ、というのはあるけれど、実際にそれで相手の人生がよくなるかどうかは、相手次第ということでしょうか。
本田健 そうです。自分はラーメンを作って、このラーメンを作ることが楽しくてしょうがない。喜んでもらったらうれしい。だけど、ダメでも別にいいや、作ったことが喜びだから、というような感じでしょうね。
喜んでもらったら嬉しいし、まずかったらごめんなさい(笑)、またがんばります、という感じです。でも、自分の中では作っただけでも完了している感覚が、与えることと受け取ることの中にも必要だと思います。
西田普 自分の好きなことがなぜあるのか、深いところで見ると、「ただ与えたい」という、自分の中の愛の世界があって、そこにつながるためのきっかけなのかなと思うことがあるんです。
本田健 与えたいと思うと、与えられるものが見えてくるものです。それまで、何か与えられるものがあるなんてわからないものです。
例えば、西田さんと田宮さんがお二人でセミナーをやろうってなったときに、何をやろうかって考えますよね。その時、初めて、二人で教えられるコンテンツがこんなにあるってことに、いっぱい人に与えられるってことに気づくんです。
けれども、与えてあげようと思わなかったら、自分が持っていることに気づけないんですよ。
僕はそれが、「与えることの意味」だと思っています。
つまり「自分には与えられるものがある。自分は与えられるものを持っている」と気がつくということなんです。
(第8回へ続く)
本田健(ほんだ・けん)神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家を経て、29歳で育児セミリタイヤ生活に入る。4年の育児生活中に作家になるビジョンを得て、執筆活動をスタートする。
「お金と幸せ」「ライフワーク」「ワクワクする生き方」をテーマにした1000人規模の講演会、セミナーを全国で開催。そのユーモアあふれるセミナーには、世界中から受講生が駆けつけている。大人気のインターネットラジオ「本田健の人生相談~Dear Ken~」は3800万ダウンロードを記録。世界的なベストセラー作家とジョイントセミナーを企画、八ヶ岳で研修センターを運営するなど、自分がワクワクすることを常に追いかけている。
2014年からは、世界を舞台に講演、英語での本の執筆をスタートさせている。
著書は、『ユダヤ人大富豪の教え』『20代にしておきたい17のこと』(大和書房)、『大富豪からの手紙』(ダイヤモンド社)、『きっと、よくなる!』(サンマーク出版)、『大好きなことをやって生きよう!』(フォレスト出版)など130冊以上、累計発行部数は700万部を突破している。2017年にはアメリカの出版社Simon & Schuster社と契約。初の英語での書き下ろしになる著作は、2019年よりヨーロッパ、アジア、中南米など、世界25ヶ国以上の国で発売されることが決まっている。
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田宮陽子(田宮陽子)
エッセイスト、㈱光出版 代表取締役。雑誌・書籍の編集者時代、1000人を超える「成功者」を取材。その後、斎藤一人氏の本の編集協力を経て、エッセイストとして独立。毎日更新しているブログが1日平均30万アクセスを集め、アメーバ人気ブログランキング「占い・スピリチュアル部門」で1位を獲得。著書に『見た目を磨くとすべてがうまくいく!』(永岡書店)、『なぜか神様が味方する すごい!金運の引き寄せ方』PHP研究所)などがある。
パートナーの西田普氏と共に㈱光出版を立ち上げ、インターネットマガジンを創刊。https://ameblo.jp/tsumakiyoko/
西田普(にしだあまね)
1972年、東京都生まれ。早稲田大学卒業。作家、(株)光出版 代表取締役。月刊『ゆほびか』編集長を務めるとともに、 季刊誌『ゆほびかGOLD幸せなお金持ちになる本』を創刊し、編集長を兼務(〜2019年9月、ともにマキノ出版)。書籍ムックの企画編集も手がけ、累計部数は300万部を突破。健康・開運をテーマしたブログがアメーバ人気ブログランキング「自己啓発ジャンル」で1位を獲得。現在、アメーバオフィシャルブログ・プロフェッショナル部門、月間のアクセス数はおよそ290万。物語創作がライフワークで、第1作の「あなたがお空の上で決めてきたこと」(永岡書店)が好評を博している。ブログ「自然に還れば、健康になるでしょう」https://ameblo.jp/toru-nishida/