第3回
「私なんてどうせ無理」
「なかなか大好きなことを生活の中心にできない」
そんな時、どうすればいいですか?
どんな状況からでも、必ずできることがある。
西田普 前回、お話いただいたように、大好きなことを見つけ、それを高めて、完成させていく。これが「幸せなお金持ちになる」ための王道なんですね。
ところで、今回のインタビューのテーマは、田宮さんのアイデアなんですが、枕に「いい人のあなたが」ってついているんです。
本田健 なるほど。よかったら詳しく説明していただけますか?
田宮陽子 実は私のブログの読者さんは、愛があって、親切な人が多いんです。私の友人でも、とてもいい人なんですが、成功していく過程で壁にぶつかってしまい、いまひとつ抜けられないという人がいるんですね。
それで、そうした人たちが、これから力強く成功していくためのヒントをお伝えできたらいいな、と思ったんです。
西田普 「いい人」の定義にもよると思うんですが、例えば「大好きなこと」を生活の中心にするのに、なんとなく抵抗があったり、周囲への遠慮とか、罪悪感がある方が多いようなんです。「私なんかが、大好きなことをやっていいのかしら」という心のブロックがあるとか…。
田宮陽子 例えば「子育てしている主婦なのにやっていいのかしら」とか、「病気のお父さんがいるのに私だけやっていいの?」とかですね。
西田普 そういう場合でも、好きなことを中心にする生活にシフトしていきたい、でも、なかなかできない、ということが多い気がするんです。自分のことを振り返っても、そうかなと思います。
本田健 そうですよね。別に「病気のお父さんをほったらかしてでも大好きなことをやったほうがいい」とか、子育てをやっている方に、「お子さんをほったらかしてでも大好きなことをやったほうがいい」とは言いません。
でも、病気のお父さんの面倒見ながらでも、やれることがあると思います。
子育てをやりながらでもできることがあります。
何かの条件があるから、好きなことができないということは、僕はないと思っています。
田宮陽子 やれることは必ずありますか?
本田健 必ずあると思います。
例えば、子どもが小さいとしても、子どもが一晩中、起きているわけではないですから、子どもが寝ている間にできることはあると思います。
介護も大変だと思いますが、その間にできることは何かあるはずです。
僕がすごく素敵だなと思ったエピソードがあります。
ある時、ハイヤーに乗ったら、英語もフランス語も中国語も、何ヶ国語も喋れるハイヤーの運転手さんがいました。
僕が「すごいですね」っていったら、運転手さんはこんなことを言いました。
「普通のタクシー運転手からスタートしたんですけど、お客さんを乗せていない時、ヒマだったから、昔好きだった英語のラジオを聞いたり、英語のテープをずっと聞いてたんです。そうしたらいつのまにか、英語を話せるようになりました」。
しかも、トントン拍子で、英語専属のハイヤーのドライバーになって、すごく楽しくなって、10年くらい経って中国語もやるようになって、その勢いでフランス語も話せるようになった、と言っていたんです。
田宮陽子 えーっ!? 本当にすごいですね!
本田健 それで、この運転手さんは、無理やりやったわけじゃなくて、空いた時間で、好きなことをやったんですよね。
彼と同じようにタクシーの運転手さんをやっている方はみんな、同じだけの時間があったはずです。同じ時間、プロ野球の放送とか音楽を聴いていた、という人もいるでしょう。
その間に、彼は英語をずっと勉強したことで、年収が何倍かになり、今ではハイヤーでエグゼクティブのお客さんばかり乗せて、高級な車種に乗っているわけです。
そういう意味では、運転手さんといっても、運転技術じゃないわけです。それ以外に何をプラスできるかということが大切です。
例えば、主婦の方だって、好きなことをできないわけじゃなくて、その間にできることを積み上げていく人は、ちゃんと評価されるようになっています。
西田普 すごく希望が湧いてくるお話ですね。
言い訳している間に時間は過ぎる。後悔しないためにも、今から始めよう!
本田健 ただし、たった半年か一年で、何かができるわけではありません。3年経って、5年経ったら、必ず何かが積み上がっているということがあります。
それは、文章を書くことかもしれないし、カウンセリングの技術かもしれません。
いずれにしても、自分が本当にやりたいことの周辺でウロウロし始めると、そこから何かがスタートするようになっています。
ですから、いきなり会社をやめようとか、そういうことではありません。自分の好きなことのほうに、舵を切っていく、ということなんですよ。
田宮陽子 自分の向いている角度がちょっと変わるだけで、行き着く先は全然変わりますね。日々の出会いも違っていきますよね。
本田健 そうなんです。だから、極端なことをやらなくてもいいと思います。
1日の終わりに、小説を15分だけ読むのでもいいじゃないですか。そういうことから作家になっていった人たちもいっぱいいます。
僕もその一人なのですが、子育ての合間に本をいっぱい読むようになったんです。
娘が寝ている間、ヒマなので、ずっと本を読んでいるうちに書きたくなってきて、デビュー作を書きました。書くトレーニングを受けたことがないから、未だに書き方がよくわからないんですよ(笑)。
優秀な編集者の人たちに助けていただいているからいいようなものの、そういった意味では、わからないことだらけです。
それでも作家になれたのですから、ここを読んでくださっている方が、何かやりたいことがあったとしたら、どんな分野かわかりませんけど、ぜひやってみてください。
何か状況があるからといって、それをできないわけではありません。
言い訳している間に、あっというまに5年10年はすぎてしまうものです。後悔しないためには、今から始めることをお勧めします。
田宮陽子 素晴らしいですね!
西田普 僕はちょっとギクッとしました(笑)。命を無駄にできませんね。
(その4へ続く)
本田健(ほんだ・けん)神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家を経て、29歳で育児セミリタイヤ生活に入る。4年の育児生活中に作家になるビジョンを得て、執筆活動をスタートする。
「お金と幸せ」「ライフワーク」「ワクワクする生き方」をテーマにした1000人規模の講演会、セミナーを全国で開催。そのユーモアあふれるセミナーには、世界中から受講生が駆けつけている。大人気のインターネットラジオ「本田健の人生相談~Dear Ken~」は3800万ダウンロードを記録。世界的なベストセラー作家とジョイントセミナーを企画、八ヶ岳で研修センターを運営するなど、自分がワクワクすることを常に追いかけている。
2014年からは、世界を舞台に講演、英語での本の執筆をスタートさせている。
著書は、『ユダヤ人大富豪の教え』『20代にしておきたい17のこと』(大和書房)、『大富豪からの手紙』(ダイヤモンド社)、『きっと、よくなる!』(サンマーク出版)、『大好きなことをやって生きよう!』(フォレスト出版)など130冊以上、累計発行部数は700万部を突破している。2017年にはアメリカの出版社Simon & Schuster社と契約。初の英語での書き下ろしになる著作は、2019年よりヨーロッパ、アジア、中南米など、世界25ヶ国以上の国で発売されることが決まっている。
本田健公式HP
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田宮陽子(田宮陽子)
エッセイスト、㈱光出版 代表取締役。雑誌・書籍の編集者時代、1000人を超える「成功者」を取材。その後、斎藤一人氏の本の編集協力を経て、エッセイストとして独立。毎日更新しているブログが1日平均30万アクセスを集め、アメーバ人気ブログランキング「占い・スピリチュアル部門」で1位を獲得。著書に『見た目を磨くとすべてがうまくいく!』(永岡書店)、『なぜか神様が味方する すごい!金運の引き寄せ方』PHP研究所)などがある。
パートナーの西田普氏と共に㈱光出版を立ち上げ、インターネットマガジンを創刊。https://ameblo.jp/tsumakiyoko/
西田普(にしだあまね)
1972年、東京都生まれ。早稲田大学卒業。作家、(株)光出版 代表取締役。月刊『ゆほびか』編集長を務めるとともに、 季刊誌『ゆほびかGOLD幸せなお金持ちになる本』を創刊し、編集長を兼務(〜2019年9月、ともにマキノ出版)。書籍ムックの企画編集も手がけ、累計部数は300万部を突破。健康・開運をテーマしたブログがアメーバ人気ブログランキング「自己啓発ジャンル」で1位を獲得。現在、アメーバオフィシャルブログ・プロフェッショナル部門、月間のアクセス数はおよそ290万。物語創作がライフワークで、第1作の「あなたがお空の上で決めてきたこと」(永岡書店)が好評を博している。ブログ「自然に還れば、健康になるでしょう」https://ameblo.jp/toru-nishida/