人類に古くから伝わる「ビブリオマンシー」(書物占い)の成果を、ほぼ毎日あなたにお届けします。
ビブリオマンシーとは、パッとめくった本の1行に、必要なメッセージが現れるという占術で、タロットカードの源流ともされています。
「今、私と皆様に必要なメッセージをください」とお祈りしてから、大好きな本を開いています。
今日は、こんな言葉が出てきましたよ。
3月9日の開運言葉
「誰かのことを批判したくなったときには、こう考えるようにするんだよ」と父は言った。
「世間のすべての人が、お前のように恵まれた条件を与えられたわけではないのだと」
・・・この言葉が出だしの1ページに入っている小説「グレート・ギャツビー」を、僕は何回読んだかわかりません。
「グレート・ギャツビー」スコット・フィッツジェラルド
村上春樹訳 中央公論新社
最初に就職した会社の先輩O川さんが勧めてくれて、そのときに買った文庫本「グレート・ギャツビー」は、野崎隆さんが翻訳した新潮文庫版でした。
カバーを外して、いつもカバンに入れて持ち歩いていた新潮文庫は、ボロボロになって、ついにどこかに消えてしまいました。
死期が迫ったことを悟った象は、群れを離れて、この世のどこかにある「象の墓場」に消えていくのだそうです。
それと同じように、すり切れるほど読まれた本は、この宇宙のどこかにある「愛読書の墓場」へと・・・
カバーを広げて、渡り鳥のようにゆったりと羽ばたいて、宇宙をひらひら渡っていくような気がするんです。
さもなければ、僕の大事な本が、こんなに何冊も勝手に消えてしまうわけがない・・・。
「誰かのことを批判したくなったときには、こう考えるようにするんだよ」と父は言った。
「世間のすべての人が、お前のように恵まれた条件を与えられたわけではないのだと」
「グレート・ギャツビーって、ギャツビーって人の、どこがグレートなんですか?」
当時20台だった僕は、O川さんにそう聞きました。
すると、赤いワンピースがやたら似合う美しい奥さんと、モーツァルトと、村上春樹の小説をこよなく愛していたO川さんは、銀縁メガネを触りながら、マジメな顔でこう言いました。
「君も読めばわかるよ。グレートなんだ、とにかく、ギャツビーって男は」
で、本当に、その言葉通りだったんですよね。
美しくて、悲しくて、人間ってこんなに、こんなに、こんなに、おバカさんなんだ、そして、だからこそ、すごいものなんだって、感じさせてくれるような小説だったんです。
「誰かのことを批判したくなったときには、こう考えるようにするんだよ」と父は言った。
「世間のすべての人が、お前のように恵まれた条件を与えられたわけではないのだと」
それから25年くらい経って、ようやく、この言葉の意味が、身にしみて理解できた気がします。
思慮を欠いた行動、思慮を欠いた言葉、思慮を欠いた人、それらは確かに、存在するように見えるけれど、簡単に批判できたもんじゃあないんだなって。
あなたのかけがえない日々が、ますます輝きますように。
あなたが「魂の望み」を叶えていくことを、いつも応援しています。
(西田普)
西田普(にしだあまね)
1972年、東京都生まれ。早稲田大学卒業。作家、(株)光出版 代表取締役。月刊『ゆほびか』編集長を務めるとともに、 季刊誌『ゆほびかGOLD幸せなお金持ちになる本』を創刊し、編集長を兼務(〜2019年9月、ともにマキノ出版)。書籍ムックの企画編集も手がけ、累計部数は300万部を突破。健康・開運をテーマしたブログがアメーバ人気ブログランキング「自己啓発ジャンル」で1位を獲得。現在、アメーバオフィシャルブログ・プロフェッショナル部門、月間のアクセス数は315万。物語創作がライフワークで、第1作の「あなたがお空の上で決めてきたこと」(永岡書店)が好評を博している。ブログ「自然に還れば、健康になるでしょう」https://ameblo.jp/toru-nishida/